安部公房「棒になった男」

大きくなったら何になりたいか。
一番古い記憶では幼稚園生時の「警察官」だったと思う。制服なのかチャカなのか、何に憧れたかは定かではないが「仮面ライダー!」だとか「いちごのショートケーキ!」じゃないところを見ると割とまともな子供だったようだ。

その後、紆余曲折あり不惑の四十(過ぎ)が惑いまくって「酒と古本と料理が好きならBOOKBARっしょ」と一念発起してこの店を開いたのはつい2ヶ月前のこと。好きなことを仕事にする難しさは今後感じるのかもしれないが、とりあえず今現在は超絶ハッピーなのです。(おかげさまです)

一応はなりたい者になれた私は幸せ者なのだが、世の中には突然如何ともしがたい状態になられる方もいる様なのです。

昭和44年9月20日 新潮社発行
安部公房「棒になった男」

大好きな安部公房を久々に読んでみたが、彼はやはり天才だった。
本書は戯曲形式で書かれ、男が旅行カバン役をしていたりとワールド全開なのだが、特筆すべきは第3景の「棒になった男」
要約すると、棒になった(なってしまった?)男がデパートの屋上から落ちてきて、その後1,000円で売買されるが、買った側もいらなくなり排水溝の溝に差して帰ると言う話。
なんて荒すぎて正しく要約されていないので、気になった方は探して読んで下さい。

私はそろそろ仕込みの時間。今日も足が棒になるまで立ち続けます。

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